アドバンスコース

準認定医講習会の新カリキュラムへの移行とアドバンスコースの新設について

理事長 松本浩毅
認定委員長 青木卓磨

 人と同様に犬や猫も高齢化が進んでおり、日常診療における循環器系疾患の占める割合は増加しているかと思います。このような状況において、循環器領域に対して高度専門化した診療や研究に対する期待が益々高まってきており、それを牽引する立場にある日本獣医循環器学会が果たすべき役割は、より一層大きくなっています。こうした社会的要請に応えるべく、専門特化された獣医循環器学に関する知識と実践能力を備えた臨床医や研究者を支援する方策のひとつとして、本学会では2001年7月に動物循環器認定医制度をスタートさせ、20年以上が経過しました。この間、関係各位の多大なご協力とご尽力により、獣医循環器認定医150名以上と動物循環器認定者3名が誕生し、それぞれの関連分野において指導的な立場で活躍されております。
 動物循環器認定医制度は、動物の循環器を専門とする臨床家/研究者を養成するための基盤を構築し、さらに獣医学の国際化をも鑑みて、その水準を諸外国の専門医の基準に少しでも近づけることを目指しつつ、まずはわが国の現状に即した形で制定しようとしたのがその発端です。したがって、将来的には国際水準をクリアするレベルの専門家を養成することを視野に入れています。認定医制度の根幹をなしているのは認定医講習会で、合計42講座から構成されており、2年間で一回りするように設定・開講されてきました。動物の循環器学に関する基礎的事項と臨床的事項のすべてを42講座の中に組み込むような立て付けになっておりましたが、日進月歩の進化を遂げている循環器学の分野にあっては、そこに最新情報まで細大漏らさず盛り込むことはもはや困難と考えました。
 そこで、本学会関係者が再三検討を重ねた結果、従来の42講座を34講座に改めると同時に、最新のより高度化された内容をアドバンスコースとして設ける運びとなりました。アドバンスコースは、上述した“国際水準をクリアするレベルの専門家”を養成するための次なる一歩に位置づけています。このコースはまず、基礎、臨床、応用の3分野で構成し(詳細はhttps://www.jsvc.jp/certification/advance/をご参照ください)、春秋2回開催される定例大会に組み込みます。受講の対象となるのは主に認定医既取得者ですが、もちろん一般の学会参加者も聴講も可能です。
 2021年度から認定医講習会の新カリキュラムへの移行と同時にアドバンスコースを開設致しましたので、会員の皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。

日本獣医循環器学会・認定医講習会・アドバンスコース
講座
番号
分野講座講習
内容
講師候補(所属)
1基礎不整脈の分子生物学石川 泰輔(長崎県)
2基礎心疾患の遺伝的要因有村 卓郎(鹿児島大)
3基礎心臓発生の分子機構と先天性心疾患中尾 周(東海大学)
4基礎心血管疾患治療の先端技術:人工臓器/再生医療中尾 周(東海大学) 
5基礎新規循環器病治療薬の薬理折戸 健介(麻布大)
6臨床肺高血圧症の病態・診断・治療中村 健介(北大)
7臨床循環器疾患の救急医療鈴木 周二(日獣大)
8臨床心臓バイオマーカー堀 泰智(大塚駅前どうぶつ病院)
9臨床ホルター心電図検査平川 篤(ペットクリニックハレルヤ)
10臨床心臓ペースメーカー治療平川 篤(同上)
11臨床心疾患の外科治療 1‐先天性心疾患青木 卓磨(麻布大)
12臨床心疾患の外科治療 2‐後天性心疾患三原 吉平(茶屋ヶ坂動物病院)
13臨床猫のフィラリア症星 克一郎(見附動物病院)
14臨床心腎連関~心臓の立場から~竹村 直行(日獣大)
15臨床心腎連関~腎臓の立場から~宮川 優一(日獣大)
16臨床どこまで進む?心エコー検査小山 秀一(日獣大)
17基礎犬および猫の重症不整脈と心臓病理町田 登(農工大)
18基礎循環器認定医が知っておくべき胸部外科田中 綾(農工大)
19臨床犬と猫の特殊な不整脈疾患福島 隆治(農工大)
20臨床循環器疾患のCT検査合屋 征二郎(日大)
21臨床猫の心臓外科菅野 信之(東京都開業)
22臨床腫瘍循環器病学~心疾患と担癌動物~佐藤 恵一(愛知県開業)